洋上風力発電は注目度が高い発電方法の1つであり、現在では実用化に向けて研究や実証実験を行っている国が多いと言えます。
日本でも実証実験が行われており、2021年度に結果が報告されるものもあることを知っておくと良いでしょう。
エネルギーや環境のことについて興味関心を持っている人から注目を集めている発電方法ですが、この発電方法についてまだあまり詳しく知らないという人が多いことも事実です。
今後ますます注目されていくものなので、まだ詳しい内容を知らない場合は魅力と今後の課題について知っておくことがおすすめだと言えます。
⇒Influx.incの星野敦氏にインタビュー!星野氏の人物像・洋上風力発電構築への意気込みとは?
目次
再生可能エネルギーを利用している
従来の風力発電と違って海洋上に発電設備を設ける方法が洋上風力発電です。
風という再生可能エネルギーを利用しているので二酸化炭素を排出することがありませんし、化石燃料を使用する必要もありません。
陸地に建設する必要がないので、広い土地を必要とすることもないです。
洋上風力発電の魅力として、再生可能エネルギーを利用している点をあげることができます。
再生可能エネルギーを利用した発電は二酸化炭素の排出を抑制することができ、火力発電などの発電方法から置き換えることが推進されていることを知っている人は多いはずです。
有限の資源の消費スピードを落とすことができる
二酸化炭素の排出量が少なければ地球温暖化対策にもなるので、積極的に導入するべきだという考えを持っている人が多いことも知っておきましょう。
化石燃料を使用しないので、有限の資源の消費スピードを落とすことができるというメリットもあります。
このままのスピードでは化石燃料は50年から100年で枯渇されると言われていますが、化石燃料を使用しない発電方法を増やすことで、現在予測されている年数よりも長持ちさせることができる可能性が高まるでしょう。
従来の風力発電と比較すると安定した発電が期待できる
次に、従来の風力発電と比較すると安定した発電が期待できるという魅力があります。
発電量は風速の3乗に比例するという理論があるため、得られる風の量が不安定な陸上よりも、安定的に風が得られる海洋上のほうが発電量が高くなりやすいです。
これまで設置されている風力発電の中には、あまり風が得られずに期待していた発電量が得られなかったという問題を経験しているものもありますが、そういったリスクを回避しやすくなります。
陸地に風力発電設備を設置する場合は、近隣住民とトラブルになる可能性も高いです。
近くで発電を行うことによって騒音問題に発展したり、景観を損ねているというクレームが出たりする可能性もあります。
洋上に設ける場合は陸地から数kmほど離れた場所に設置することが多いので、騒音や景観についての問題が生じにくくなるはずです。
太陽光や地熱発電などと比べると変換効率が良い
既存の再生可能エネルギーを利用した発電方法と比較すると、変換効率が良いという魅力もあります。
太陽光発電や地熱発電、木質バイオマス発電などと比較した場合、洋上風力発電の変換効率のほうが優れていることが特徴的です。
変換効率が良ければ得られる電気量が多くなるので、安定した供給を期待しやすくなるでしょう。
大規模化や大型化を実現しやすい
大規模化や大型化を実現しやすいというメリットもあります。
このタイプの発電方法が開発された当初は海底に固定する着床式のみでしたが、現在では船舶などの浮体構造物を活用した浮体式が利用できることも明らかになっており、こちらを採用すれば水深が深い場所でも問題なく発電を行うことが可能です。
水深を気にすることなく設置していくことができるので、規模を大きくすることができます。
大型タービンを取り入れることもできるので、1つ1つの装置のパワーをアップさせることも可能です。
洋上風力発電の課題
このように、たくさんの魅力がある洋上風力発電ですが、いくつかの課題があることも事実だと言えます。
まず、この発電方法は新しい発電方法であり、実用化するためには今後も研究や検証実験が必要となってくるはずです。
実用化するためには今後の研究や検証実験次第な部分があると言えるでしょう。
超低周波音の問題もあり、実証実験中に超低周波音が気になるという声が出ました。
設置する場所や設備を工夫することによって改善可能だとされていますが、本当に人への影響が起こらないかどうかという部分は今後も検証を続けていく必要があります。
そして、海に設置することで鳥や海の生き物に影響が出ないかどうかという研究を進める必要もあるとされていることを知っておくべきです。
現在は悪影響が出る可能性は低いとされていますが、長い目で見て影響がないかどうか探っていくことが重要となります。
まとめ
洋上風力発電は地球に優しく、エネルギーを得やすい優秀な発電方法の1つです。
数多くの魅力がありますが本格的に使用できるようになるまでには実証実験を重ねたり、課題を解決したりすることが大切だと言えます。
世界的に導入する地域が増えていくはずなので、この発電方法の基本的な情報を知っておき、今後も新しい情報を得るようにしておくことがおすすめだと言えるでしょう。
最終更新日 2025年4月25日